

デザインの大枠は奥様中心で家づくりされたことや、娘さんお二人ともお住まいですので「女性的な雰囲気かな」とも振り返って思いますが、設計している私が男性ですのでシャープな部分との混在になったのではないかなとも思います。たくさんのご要望も話し合いの中できちんとご理解いただけるご夫婦様でしたので、設計の趣旨は崩れずに出来上がったと思います。
瓦屋根をご希望になられていたのですが、きれいに見せようとすると瓦屋根は中々ゴツくなりがちですので難しいです。この地域は愛知県なので三河の三州瓦を主に使うのですが、今回は石見の石州瓦…遠く島根の窯で焼かれた瓦を使いました。この瓦でないと今でもこの雰囲気は出せなかったなと思っています。屋根勾配が7寸ちょっとですので、屋根の面積が大きく見えます。そのために瓦屋根はこだわりました。当初の設計では輸入のイタリア瓦だったのですが、お値段がベラボウ(笑)にしましたので私のお勧めした石州瓦の選択となりました。
性能は「FPの家」なのでお墨付きですが、娘さんお二人から「直接的なエアコンが無理!」というお話をいただいておりましたのでエアコンは1階に2台、2階に1台配置しました。2階の娘さんたちのお部屋にはエアコンを付けず、2階の納戸の小部屋にエアコンを設置しましたが、温度を調節した空気を一度熱交換換気システムに回収させて熱交換した後に各部屋に配るようにしてあります。1階のエアコンはLDKとご主人のお部屋に1台ずつ配置しましたが、奥様のお部屋は空気の流れ的に不利でしたので、機械排気ファンを奥様の部屋壁に設置して調整空気を強制的にひっぱってやる形にしました。
ご家族を取りまとめてお家を作ることは、奥様も大変だったと思います。ですが、定年されてお家でお過ごしになる住処を「FPの家」にされたことは、間違いなかった選択だときっと思っていただけると思います。今後もご家族様みな様が健やかにお過ごしになられますよう、ご祈念いたしております。